【事例研究】歯科医師による医療事故まとめ(2ページ目)

【事例研究】歯科医師が当時者となった医療事故2

過去に歯科医師が当事者となった医療事故の事例をまとめました。
歯科医師による医療事故を少しでも減らすため事例研究にお役立ていただければ幸いです。

※個別の事例についてのお問い合わせには応じかねます。予めご了承ください。

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事例26:異物の体内残存に関する医療事故

実施した医療行為の目的

14年前に受診し、外来で右上臼歯の抜歯を行った。
抜歯窩と上顎洞が交通しその後排膿があり洗浄を行っていた。
抜歯窩にチューブのようなものが留置されていた。
1ヶ月以上は通院していたがその後良くなり通院しなくなったがチューブを抜いた記憶は無く、通院中に歯科医師が「入っちゃった」といってあたふたしていた記憶がある。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • その後、嘔吐や頭痛、後鼻漏や鼻閉感が断続的にあった。
  • 他院の耳鼻咽喉科で歯科受診勧められの通院。
  • インプラントのためにCT検査を行ったところ左上顎洞にチューブ様の異物を認めたため全身麻酔下で異物除去術を実施。
  • 摘出物は直径1mm、長さ10cm程度。

医療事故発生の要因

  • 14年前で当時のカルテは廃棄されていた。
  • 異物のチューブが当該科で使用する可能性が低く、当時の歯科医師等は「見たことがない」との反応であった。
  • また、当時の診療台帳から診察したと思われる歯科医師に問い合わせたが、患者や治療に対しての記憶は無かった。
  • 患者に治療歴を問い合わせたが(特に眼科や耳鼻咽喉科)1~2回程度の事で処置をした記憶は無かった。
  • 形態から「涙小管チューブ」らしいとの事でチューブの購入履歴を検索したところ16年前以降の購入歴はなかった。

改善策

  • 当時のカルテが無く、不明である。
  • 患者には検討結果を説明した。

事例27:異物の体内残存に関する医療事故

実施した医療行為の目的

下顎骨腐骨除去

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

皮質骨へのドリリングの際、ドリルの先端が破折して骨内に迷入した。

医療事故発生の要因

  • ドリル(バー)劣化の可能性

改善策

  • ドリルの耐用回数に留意する

事例28:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

右上智歯の転位歯を抜歯予定。
脳性まひと最重度精神遅滞とてんかんを併発している患者で理解が全く困難であった。
笑気吸入鎮静法下にて頭部固定と開口器の保持を行って、表面麻酔、局所麻酔で上で抜歯を実施。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

前回の来院から3ヶ月が経過していたので、前回の処置内容等を忘れていた。
抗てんかん薬のために

  • 右上7番の口蓋部および遠心部の歯肉が腫脹しており、
  • 右上智歯は半埋伏状態で右上7番の陰に隠れており全く直視出来ない状態で
  • 右上8番と7番の抜歯部位を間違えた。

患者自身も開口の指示に従わず、そのため閉口状態で頬側から浸麻した。
抜歯時は開口器をかけて開口させたが、全く見えない状態であった。
なお、X線は前回パントモを撮影してありそれで判断した。

医療事故発生の要因

  • 開口器で患者の口腔内状態を直視した状態のみで、判断し(思い込み)X線等で状況を確認するのを怠った。

改善策

  • 処置部位の確認は視認だけではなく、X線等と照らし合わせて確認する。
  • また処置部位は声に出して、処置部位を周りのスタッフと確認することが再発の防止となる。

事例29:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

未萌出の左上3の歯冠を明示し、牽引用の装置を接着する。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 外来処置室にて局所麻酔後に歯肉に切開。
  • 未萌出の左上3の歯冠を明示し牽引用の装置を接着することであったが、実際には主治医と指導医は左上4を左上3と気づかずに誤認して処置を終了した。
  • その後、患者はかかりつけの歯科医院にて診察を受けたが、その際、同院の歯科医師が、誤って別の歯(左上4)に装置が装着されていることに気づいた。
  • 術後は、抗生剤を5日分、鎮痛剤を5回分処方した。
  • その後の洗浄、抜糸は患者の家族の希望により紹介医で行ってもらったため、医療事故を起こした院での処置後の経過観察は行われていない。
  • 患者の口腔内に埋伏している左上4に装置が装着されているが、紹介医に確認したところ、そのままの状態でかまわず、のちに左上4が萌出してから装置を除去するとのことであった。
  • 左上3周囲に切開の上、装置を装着予定。
  • 今後左上3に処置を施せば、その後の本来の治療は遂行可能と思われる。

医療事故発生の要因

  • 今回の処置は外来でよく行う処置のひとつではあるが、左上3が通例とは異なった位置に埋伏しており、通例の場所に別の歯(左上4)が存在しており、

    • 思い込みの感覚
    • 確認不足が要因として考えられる。
  • また、処置はCTのみを見ながら行っており、歯並び全体を確認できるパノラマエックス線写真で処置すべき歯の位置を確認しておけばミスは防げたと思われた。

改善策

  • 処置する歯の存在部位にマークをつける。
  • 処置前に複数種の画像で状況を確認する。

事例30:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

歯科治療施行後の感染性心内膜炎にて、

  • 大動脈弁置換(生体弁)
  • 弁輪膿瘍廓清(A弁輪、左房、僧帽弁前尖部分切除)
  • 牛心膜パッチによる大動脈弁輪再検拡大術

の緊急手術を受けた。
その後継続治療中の患者で、同院での歯科治療を希望。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 入院前に患者主治医より、当事者へ術者の依頼。
  • 術者は主治医から抜歯の部位を聞き、術前に確認し同意書を取得。
  • 手術当日、右側下顎6番の抜歯後、左側上顎大臼歯の抜歯に移ったが、その際左側上顎7番と6番を誤認し抜歯。
  • 術後X線撮影をしていたが、主治医・担当医共に確認していなかったため、誤抜歯に気付くこと無く、患者は退院。
  • 退院後、家族が開業している歯科受診時に、患者が誤抜歯に気付く。
  • 当院主治医宛に、「なぜ7番はそのままで、6番を抜歯したのか」との手紙が届き、入院時の術後X線を確認したところ、誤抜歯していたことに気付く。

医療事故発生の要因

  • 手術当日、主治医は同室で並列で行われている手術の術者で、この症例には立ち会っていなかった。
  • 手術申し込み・術前看護記録・器械オーダー表・小手術術中看護記録の病名・術式には、歯根膜炎・抜歯手術(一歯につき・臼歯)としか記載されていなかった。
  • タイムアウト時、抜歯術のみの術式確認しか行われていなかった。
  • 当事者は、左側上顎7番を6番の部位と勘違い(5・6番と7・8番はそれぞれ連冠されていた)していた。

改善策

  • 術前に、抜歯する部位の位置や形態を局所的に十分観察し、画像所見と照らし合わせ確認する。
  • 手術申し込み入力時、抜歯する歯を明確に記載する。
  • 手術のタイムアウト時にも、抜歯する歯を明確に声だし確認し、口腔内の確認を二重確認(指差し呼称)する。

事例31:異物の体内残存に関する医療事故

実施した医療行為の目的

下顎骨再建術、プレート除去術、左下顎骨腐骨除去術を施行。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 手術終了時に顔面正面X線撮影を行い、術者は問題ないと判断し、麻酔科医にも伝え気管内チューブを抜管。
  • 看護師より術中に摘出したスクリューの数が合わないとの報告あり。
  • 追加の顔面側方X線撮影を行い、右側口腔粘膜内にスクリューが残遺していることを確認。
  • 患者にスクリューを摘出するために、万全を期して再挿管して処置を行うことを説明し、同意を得た。
  • スクリューは口腔内から容易に摘出することができた。

医療事故発生の要因

  • 歯科医師、麻酔科医師、看護師のコミュニケーション(タイムアウト時情報共有の徹底)が不足していた。
  • 物品のカウント方法が明確ではなく、数え間違い・思い込みがあった。
  • 顔面正面X線撮影の画像では、プレートの端にスクリューが重なって写っており、判断できなかった(遺残が分からなかった)。

改善策

  • 抜管前に物品カウントの結果を術者、麻酔科医師、看護師で共有する。
  • 一目で見ても数が分かるように、物品のカウント方法を検討する。
  • 気管内チューブ抜管前に、顔面正面・側方のX線撮影を行い、画像での確認を行う。

事例32:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

顎変形症による咬合不全に対する上顎骨形成術および下顎骨形成術による咬合の改善。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 上顎骨形成術中に使用した止血用ガーゼが遺残したことに気づかず閉創。
  • ガーゼの遺残が疑われるような検査所見、自覚、他覚症状なく経過。
  • 手術後約13年経過した後、患者が上顎洞炎を発症、他院にて上顎洞の手術を受けた際にガーゼが発見。

医療事故発生の要因

  • 閉創前の当事者による確認が不十分であった。
  • X線造影性ガーゼが使用されていなかった。
  • ガーゼカウント導入移行期であり、カウントが行われていなかった可能性がある。

改善策

  • X線造影ガーゼの使用。
  • 術中ガーゼ挿入および撤去記録の実施。
  • プレート固定前、閉創前のガーゼカウントの実施。

以上の改善策が本件発見前に既に実施されている。

事例33:異物の体内残存に関する医療事故

実施した医療行為の目的

左側上8番埋伏智歯の抜歯。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 局所麻酔下にて左側上8番埋伏智歯の抜歯施行し、手術終了。
  • 抜歯後1年経過後も抜歯部の疼痛が持続、抜歯後より口蓋左方及び左耳奥の掻痒感が出現。
  • 他院にてX線精査を行った際に抜歯部にX線不透過物を認め、CT検査を施行。
  • 形状、不透過性及び経過から1年前の抜歯の際に用いた歯科用切削器具の破折断の可能性が高く、掻痒感については金属片遺残によるアレルギー反応と診断。
  • 局所麻酔科にて異物除去術施行にて、4mm程度の破折した歯科用スチールバーの尖端を除去。

医療事故発生の要因

  • 抜歯の際、左側上8番埋伏智歯を分割するために、歯科用切削器具(フィッシャーバー)を用いたが、破折した瞬間も気づかなかった。
  • 術後の片付けは介助の研修医が行い、最終的に当事者が器具の破折に気づかなかった。

改善策

  • 器具を使用した際はその都度破折の有無について確認し、破折が認められた場合は破折片を探す。
  • 破折片が確認できず、体内に破折片の有無が確認出来ない場合は、エックス線撮影を行い、体内に遺残がないことを確認する。
  • 縫合針、スチールバー等歯科用切削器具の専用廃棄具を導入する。

事例34:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

歯牙補綴

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • ポストコア試適中に口腔内に落下。
  • すぐに側方を向いてもらい、飲み込まないよう指示。
  • 口腔内を探索したが発見できず。
  • 咽喉部に異物感があるとのことで、咳き込んでもらうも排出できず。
  • その後、息苦しさやむせはみられず。
  • 胸部・腹部レントゲン撮影を施行。
  • 胃下部と考えられる部位にポストコア大の不透過像認める。
  • 消化器内科に依頼し、緊急CT施行の上、内視鏡下での摘出を実施。
  • 食道が狭窄しており、内視鏡が進められず摘出は中止。

医療事故発生の要因

  • 誤嚥への対策が不十分であった。

改善策

  • 咽喉部をガーゼで覆う。
  • すぐに吸引を行う。
  • 1人アシストについてもらい、落下後すぐに対応してもらう。

事例35:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 以前より上顎正中過剰埋伏歯の存在を指摘されていたが、海外在住のため、放置していた。
  • 一時帰国中、抜歯目的に外来初診。
  • 術前に撮影されていたパノラマX線写真およびCTでは、上顎左側中切歯の近心口蓋側低位に過剰歯の埋伏が認められた。
  • 画像所見上、歯冠及び歯根の形成が明瞭に認められた。
  • 外来にて局所麻酔下に抜歯術を施行した。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 外来にて局所麻酔下に抜歯術を施行。
  • 上顎右側中切歯遠心から上顎左側乳犬歯遠心にかけて、口蓋側に歯頸縁切開を加え、粘膜骨膜弁を作成し、抜歯。
  • その際、上顎左側中切歯口蓋側に埋伏歯牙を認めた。
  • 同歯牙は歯質の一部を骨膜下に認め、残りの歯質は骨内に埋伏した状態であったため、歯質周囲の骨を削合し抜去。
  • 抜歯窩に、その他の歯牙の露出は認められなかった。
  • 翌日に創部の洗浄を行った際の治癒経過は良好。
  • 6日後に抜糸を施行し、創部の治癒経過良好にて終診。
  • 元々の歯列不正に対して、海外滞在中の歯科医院を受診し、パノラマX線撮影が行われたところ、過剰埋伏歯の存在と上顎左側側切歯の欠損が指摘されたため、再度精査を勧められ、同年再受診。
  • 同日、パノラマX線撮影及びCT撮影が行われ、過剰埋伏歯の残存と上顎左側側切歯の欠落が認められたため、誤抜歯されたことが判明。

医療事故発生の要因

  • 患児は7歳で、乳歯と永久歯の混在する時期であった。
  • 粘膜骨膜弁を剥離した直後に歯の位置確認が不十分であった。
    • 術前の画像から、上顎左側中切歯の口蓋側低位に過剰埋伏歯が存在していることは把握し、術中も術者の見える位置に歯牙の位置関係を示す画像を表示していた。

改善策

  • 乳歯から永久歯への交換が終わる13歳前後を目処に、過剰歯の抜歯時期を検討する。
  • 術中の対策として、浸潤麻酔の直前、直後、抜歯操作の直前に術野内で確認できる歯の位置確認をする。
  • 術後にポータブルレントゲン撮影装置を用いて、抜去予定歯が正しく抜歯されたことを確認する。

事例36:誤飲に関する医療事故

実施した医療行為の目的

齲歯の治療

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 歯科外来で、抜歯のため抜歯する歯とその隣の歯にヘーベルを挿入した直後、隣の歯が歯根部から破断し舌側に脱落。
  • すぐに側臥位にして頭部を前屈し除去を試みたができなかった。
  • 次に上体を起こし、前屈姿勢をとり、吐き出させようとしたがとれなかった。
  • その間、患者のSpo2 99~100%、血圧の変動も見られず。気管への誤嚥はないと判断し、抜歯を続行。
  • 終了直後、主治医に連絡し、胸・腹部エックス線検査を依頼。
  • 脱落した歯は金属冠がついており、胃内にあることが確認。
  • 患者は腸疾患により、閉塞の危険があるため内視鏡で摘出することになり、実施され摘出。

医療事故発生の要因

  • 抜歯前にエックス線検査をして確認した。
  • 金属冠処置がされていたので、歯根部齲歯の確認ができなかった。
  • 大きな動揺も認められなかったので破断の危険性を過小評価した。

改善策

  • 治療済みの歯も動揺などについて十分評価する。

事例37:方法(手技)の誤りに関する医療事故

実施した医療行為の目的

下顎右側第一大臼歯う蝕処置、軟化象牙質除去後露髄確認、抜髄処置

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 研修歯科医は、下顎右側第一大臼歯う蝕の治療のため軟化象牙質を除去した時点で露髄を認めたため、指導歯科医の指示を仰ぎ抜髄処置を行うこととした。
  • 研修歯科医は、エアタービンにて髄室開拡を進めたところ出血を認めたが髄腔からのものと判断し、さらに開拡を進めたところ出血が著明となり、髄床底穿孔が考えられたため指導医に報告。
  • 指導歯科医が確認したところ髄床底が完全に穿孔していた。
  • 患者に状況説明と謝罪を行い、指導歯科医が歯根部歯髄を除去しカルボセメントで仮封。
  • 穿孔部の状況から当該歯は保存不可能と判断されたが、自覚症状がほとんどないため抜歯の同意が得られなかった。
  • 同意の得られた後日、障害(歯の欠損)の残る医療事故とした。

医療事故発生の要因

  • 髄室開拡の際に出血が認められたが、研修歯科医は髄腔からのものと判断し盲目的に開拡を進めた。
  • 髄腔をある程度開放した後に電気エンジンとバーによる髄室開拡を行う方が、切削時の手ごたえもあり穿孔の危険性が少ないことから、そうすべきであったが、処置時間が長引いたことからそれを行わなかった。

改善策

  • 抜髄処置の基本手順に沿って処置を進め、簡略化しない。
  • 出血が著明な場合は、十分な止血処置を行って明視下での処置を心がけ、盲目的な切削は行わない。
  • 指導歯科医の指示をこまめに仰ぐ。

事例38:誤嚥に関する医療事故

実施した医療行為の目的

上下無歯顎で長年義歯を使用、不適合であることから義歯の作成を希望

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 前回の治療にて上下簡易印象を行い、本人の口に適合した個人トレーを作成していた。
  • 当日そのトレーを使用してシリコン印象材料にて最終印象採得を行った。
  • その際のチェアポジションは座位であった。
  • 印象をトレーに盛り上げ口腔内に圧接、硬化時間の4分30秒、歯科医師は患者の後ろ側から保持。
  • その間異常は確認できなかった。
  • 撤去に際し、外すことを伝えると、患者は声を出して了解の意思表示をした。
  • その際、のどが動き始めて患者自身、異物がのどに詰まっていると感じ、嘔吐、せき込みを激しく行うこととなった。
  • 歯科医師は印象材料の誤嚥と認識し、撤去しようとしたが、患者の動きが激しく不可能と判断、救急依頼をし、総合病院の耳鼻咽喉科にて異物の除去を依頼。
  • 無事撤去終了、その後は、義歯の作成の治療を継続。

医療事故発生の要因

  • 高齢者の反応の鈍さを特性として理解が不足していた。
  • 印象材料の使用量を誤り、必要以上に多く使用してしまった。
  • 印象材挿入時に咽頭のほうへの流れ込みを確認しなかった。

改善策

  • 使用材料の変更を検討。
  • それに伴い、治療術式の変更を検討。
  • 施術時の誤嚥に対する確認を歯科医師とともにスタッフにも認識させ医院全体で再発防止の改善対策を行う。

事例39:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

手術のための全身麻酔

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 腹腔鏡下胆嚢摘出術を行うに際して、全身麻酔施行。
  • 麻酔導入時は点滴の落ち、静注薬の効果に問題はなかった。
  • 手術中、レミフェンタニル等の効果が不十分であり増量、吸入麻酔薬増量、フェンタニル、ロクロニウム追加静注などで対応していた。
  • 執刀開始後約40分後、点滴の落ちが悪くなっていることに気づいた。
  • 手術終了直前に点滴刺入部を確認したところ皮下に漏れていることを発見、点滴を取り直した。
  • 手術終了後麻酔から覚醒させた。
  • 筋弛緩薬拮抗をスガマデクス(ブリディオン)静注にて実施。
  • 開眼、呼名にうなずきあり、自発呼吸も出現、深呼吸指示にも応じたため抜管。
  • 抜管後は半覚醒であり、徐々に自発呼吸回数減少。舌根沈下もあり。
  • 点滴漏れの部分の腫脹は続いており、皮下に漏れた可能性のあるレミフェンタニル、ロクロニウム、フェンタニルの作用が遷延、遅発性に再出現する可能性も考え、再挿管。
  • プロポフォールにて持続鎮静を実施。
  • ICUにて人工呼吸管理を依頼。
  • ICU搬入後約2時間で呼吸回数増加、鎮静下にても体動著明、抜管。
  • その後は意識、呼吸問題なく創痛自制内。
  • 点滴漏れの部位の腫脹は次第に軽減した。皮膚科受診にても問題なし。

医療事故発生の要因

  • 手術室搬入後、末梢ルートの輸液滴下や薬液注入に問題はなかった。
  • 術中に麻酔薬の効果が投与量に比して、不十分であるにもかかわらず、末梢ルートに問題があることを疑わなかった。
  • 患者固有の問題として、血管の脆弱性や蛇行などがあった。

改善策

  • 麻酔中も末梢ルートの管理に注意を要する。
  • 搬入時の点滴の落ち具合、刺入部の確認。
  • 静注薬の効果が不十分なときの点滴の落ち具合、刺入部の確認。

事例40:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

智歯の抜歯

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 右下8番の智歯を抜歯するところ、右下7番を抜歯。
  • 矯正歯科クリニックにて歯科矯正治療中の患者が矯正の障害になっていた両側下顎埋伏智歯の抜歯目的に受診。
  • 左側を抜歯し、抜歯後異常なく経過。
  • 約20日後に右側を抜歯。
  • 創部の経過観察のためX線撮影したところ、予定の右下8番の智歯ではなく右下7番を誤抜歯していたことを発見。

医療事故発生の要因

  • 右下7番を右下8番の智歯と誤認してしまう可能性のある口内状況であった。

    • 6、7、8番目の歯牙は形態がよく似ていた。
    • 右下8番の智歯は完全に埋伏し、右下7番の歯冠の一部が口腔内に露出している状態であった。
  • 抜歯前のカルテ記載で右下7番を右下8番の智歯と誤記載があり、誤認したまま抜歯。

  • 抜歯直前のX線による確認時や、視診による口腔内確認時にも、歯数の確認で気づくことができたはずであるが、それらの確認を怠った。

  • 診察時間が予約時間を超過しており、他の患者にも影響がでている状況であった。

  • そのため気持ちが焦っており、部位の誤認に気づくことができないほどの思い込みが強かった。

改善策

  • 術前に確実に歯式の確認を行う。X-Pの確認、歯数を数えての確認を行う。
  • カルテ記載を診察後にタイムリーに行えていなかったため、補助者をつけたり、歯科用カルテシステムの導入などタイムリーにカルテ記載ができる方法を検討する。
  • 予約時間通りの診療が行えるよう業務内容を見直す。
  • これらの改善策を施行した上で、気持ちにゆとりを持って診療にあたるよう心がける。

事例41:治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

右顎下蜂窩織炎のため、右下8周囲炎症部への洗浄処置。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 担当医が、口腔内診察時、右下8周囲炎症部に対し、イソジン生食液洗浄と抗菌薬貼薬を行ったところ、患者が、同部~右耳介周囲に激痛を自覚。
  • いったん症状が治まったため帰宅させた。
  • 患者から軟口蓋が腫脹したとの電話があり、その後、救急外来を再受診。
  • CT撮影にて、右傍咽頭隙の腫脹とエアでair density areaを認め、気道閉塞が懸念されたため、耳鼻咽喉科医師にコンサルトし、内視鏡下に咽頭部腫脹を確認。
  • 同部へのガス産生菌感染憎悪を考慮し、耳鼻咽喉科へ入院。
  • 翌朝、腫脹の憎悪が無いことを確認し、転科。
  • 転科後、上級医Cが局所麻酔下に、切開排膿術を施行し、口腔外から右傍咽頭隙までドレーンを挿入。
  • 症状は軽快したが、症状と臨床診断との食い違いが明らかとなり、感染症の憎悪による腫脹ではなく、上記原因による医原性腫脹を判断。

医療事故発生の要因

  • 担当医の洗浄時の洗浄圧が強すぎた。

改善策

  • 洗浄圧・洗浄箇所・刺入深度・刺入角度を考慮しながら、処置をおこなう。
  • 洗浄中に排液が解剖学的にどこに到達しているのかを考える。
  • 盲目的な処置にならないように注意する。異常が生じた際は、上級医へ速やかに報告し、対処方法の相談を行う。

事例42:治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

抜歯

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 手術前日、歯科医師Aにより手術の内容と手術器具により口角炎やその周辺組織(歯、歯肉、頬、舌など)が損傷する可能性について説明し、同意を得た。
  • 手術当日、歯科医師Bが両側上顎埋伏智歯2本、両側下顎水平埋伏智歯2本の計4本を抜歯。
  • 歯科医師Aは第1助手であった。
  • 上顎智歯2本の抜歯後、下顎水平埋伏智歯2本を抜歯。
  • 左側抜歯時に使用した切削器具のハンドピースが発熱しているのに気がつかず、左頬部に接触したため、熱傷による表皮剥離(18×15mm)を起こした。
  • 顔の外傷の専門家である形成外科医の協力を得て、事故発生直後から形成外科を受診。

医療事故発生の要因

  • 外来の器械を手術室に持ち込んだ。
  • 外来の器械は手術室に比べてメンテナンス(グリース)が不十分であった。
  • 下顎操作時のハンドピースを持つ角度が問題で頬に接触した。
  • ハンドピースの回転後、時間により熱くなることの認識が薄かった。

改善策

  • 外来の器機を定期的にメンテナンスする。
  • ハンドピースを持つ角度に注意して頬に接触していないか観察する。
  • ハンドピースの回転数、時間により熱くなることの周知をはかる。

事例43:方法(手技)の誤りに関する医療事故

実施した医療行為の目的

左側下顎埋没智歯抜歯術

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 埋没智歯抜歯のため歯牙切削を実施。
  • 抜歯完了後、眼窩部の腫脹訴えあり、CT撮影にて眼窩部から縦隔への気腫の発生を確認。
  • 広範囲の気腫であり抗菌剤投与で経過観察するため緊急入院となった。

医療事故発生の要因

  • (タービン使用方法は間違っていないが、)切削に時間を要した。
  • 切削の時間が長いことにより空気の流入が増え気腫を発生させた。

改善策

  • 自科で事例共有のみ。

事例44:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 初診時所見では、X線検査で右側上顎1根尖付近に逆性過剰埋伏歯を認め、口蓋側にあると推察された。
  • 両側中切歯の根尖は未完成で、右側中切歯の遠心傾斜により、正中離開があった。
  • 右側中切歯の萌出遅延か否かは、初診時のX線検査のみでは判断不可能で、右上2萌出遅延により正中離開が亢進する可能性は否定できず、逆性過剰埋伏歯は抜歯適応と考えた。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 全身麻酔下にて患者の上顎正中過剰埋伏歯抜歯術を施行し、創部は問題なく軽快。
  • その後、矯正科に患者と母親が右上2の萌出遅延に対する診察を希望し、受診。
  • その際に撮影したX線検査にて、上顎正中過剰埋伏歯が残存し、抜歯されたのは右上2であったことが判明。

医療事故発生の要因

  • 指導医は、執刀医が認定医資格をもっていたため、今回の抜歯は可能であると判断した。
  • そのため、緊急時のために手術室に待機していたものの、手術には参加していなかった。

改善策

  • 指導医と執刀医で綿密な手術検討を行う。

事例45:治療・処置に関する医療事故

実施した医療行為の目的

全身麻酔下における下顎骨形成術。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • セファロ撮影ならびに単純CT撮影にてワイヤーと思われる不透過像を認めた。
  • 即日静脈麻酔下に異物除去術を施行。
  • 除去後に頭部単純X線撮影を行い、異物除去されていることを確認し閉創。

医療事故発生の要因

  • 不明

改善策

  • 十分な術野の確認。
  • 除去すべきワイヤーの確認を複数の術者で行う。

事例46:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

交叉咬合の改善。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • ├7間の交叉咬合の患者に対して、十分な検査及び治療によって歯の動揺等が生じる危険性の説明を行わずに交叉ゴムによる治療を行った。
  • 治療を開始し、約1ヶ月毎に8mmのゴム交換と経過観察を行っていた。
  • 経過観察時、├7間の交叉咬合の改善が認められたため、4mmのゴムの交換を指示した。
  • 4ヶ月目の経過観察時に初めて医師に歯の動揺を訴えた。(患者は歯の動揺と痛みを認めていた)
  • 口腔内検査より┌7にM3の動揺を認め、エックス線写真からも歯槽骨吸収を認めた。
  • 歯槽骨吸収の程度から、┌7の保存は困難と考えられるが、前後の歯に注意しながら保存を試みることとなった。
  • 患者の母親からは最初から危険性の説明を聞いていれば治療はしなかった等の訴えがあった。

医療事故発生の要因

  • 歯の動揺、歯槽骨の吸収、疼痛等の治療を行うことによって生じる危険性、偶発性等について説明が不十分であった。
  • 本来であれば、治療を行うにあたり、口腔内写真、X線写真、スタディモデル等の十分な検査及びそれに伴う分析を行って診断、治療方針が決定されるが通法の検査、診断が行われておらず、その説明に基づく治療の同意書も得ていなかった。

改善策

  • 治療に対する十分な検査と説明を行い、同意を得る。
  • 不快事項があれば、すぐに来院するように説明する。

事例47:検査に関する医療事故

実施した医療行為の目的

口腔底癌に対し手術を施行し、術後は歯科外来で経過観察を行っていた。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 口腔底癌に対し手術を実施し、術後は歯科外来で経過観察。
  • 頭部体幹(胸部)X線撮影を施行後、読影を依頼し、右上肺野に腫瘤(肺がん疑い)を指摘されCT撮影検査が望ましいとの検査報告があったが確認をしていなかった。
  • その2年後、頭部体幹(胸部)X線撮影施行し、画像確認時に2年前に施行したX線検査報告書に右上肺野に腫瘤あり、要CTとのコメントがあったが見落していたことが判明。

医療事故発生の要因

  • 検査及び読影を依頼していたが、依頼していたことを忘れ検査結果を確認せず、見落としてしまった。

改善策

  • 予定や連絡をカルテに記載することで医師間の情報共有を行う。
  • 診察時には必ず前回のカルテ記載の確認を行う。

事例48:その他の与薬に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

呼吸停止、意識レベル低下発見し、気管内挿管、人工呼吸器管理となった。 (その後呼吸器離脱)

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 右口腔底癌術後5日目よりドレーン類を引っ張る動作。
  • 胃管カテーテル・気管カニューレの自己抜去や大声をだす、看護師を叩くような動作出現。
  • 術後23日目に精神科受診され対症指示に従い向精神薬投与していた。
  • 術後29日目、リスパダール計2.5mg、ヒルナミン0.25mg投与。
  • その後も暴言・暴力行為認めたのち、入眠確認。
  • 鼾をたて入眠、痰の吸引や体位変換やおむつ交換を実施。
  • 巡視の際に、弱い呼吸から自発呼吸消失・瞳孔散大・意識レベル低下・頸動脈触知不可であったので胸骨圧迫心臓マッサージ+VBM換気開始。
  • 当直歯科医診察依頼、ハリーコール。
  • ROSC、自発呼吸再開。
  • 経口挿管しICU入室。

医療事故発生の要因

  • 下顎歯肉癌の術後で、向精神薬の投与経路が術前の経口から経管へ変更になった。
  • 定期服用薬でコントロール中であった向精神薬を定期的に服用できず、頓用薬での対応になった。
  • コルサコフ症候群で患者自身が術後の状態を理解できていない。
  • 主科が歯科口腔外科であり、リエゾンとして精神科医師が関わり合っているため、下顎の患部の状態と精神症状の状態の総合判断が主科の主治医では困難である。
  • 家族の付きそいなどの介入が出来ていない。
  • 一般病棟での複数の向精神薬同時使用かつ薬剤調整の患者の対応に不慣れである。
  • 難しい症例での精神科医師、歯科口腔外科、看護師、家族含めた合同カンファレンスでの情報共有が出来ていない。

改善策

  • 患者・家族の同意説明時には、経口摂取の出来ない期間や、術後の嚥下障害を考慮した投薬の経路変更の可能性についての説明を行う。
  • 定期内服が出来なくなった場合のリスクについて、事前に主科の歯科口腔外科医、精神科医師、看護師で評価を行って情報の共有と安全な環境を整える。
  • 主科の口腔外科医および精神科医師合同で家族に病状説明と経過説明を実施する。
  • 必要時家族の付き添うなど患者が安心できる環境作りを提案する。
  • 患者の投与した薬や病状に応じた安全な環境をチームで整える。

事例49:その他の治療・処置の準備に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

右側下顎埋伏智歯抜歯(通院加療中)。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 右側下顎埋伏智歯抜歯術を施行。
  • 局所麻酔を行い、歯肉切開し骨膜下で剥離後、エアータービンにて周囲骨削合・歯冠歯根分割施行時に咳反射出現。
  • 患者に確認すると咽頭部違和感を訴え、口腔内診察し気腫と診断し抜歯術を途中中止。
  • ドレープ除去すると右眼瞼周囲にも腫脹認めた。
  • 開眼障害あったためCT精査したところ、縦隔にも気腫を認めた。
  • 感染予防と安静、経過観察、患者の不安を考慮して即日入院。
  • 軽快し退院。
  • 気腫の発生については同意書にも記載していたが、縦隔気腫とまでは記載しておらず、患者に対し縦隔気腫の発生可能性について十分な説明が行われてはいなかった。

医療事故発生の要因

  • 智歯抜歯時の粘膜骨膜弁剥離後のエアータービンの圧縮空気が骨膜下より進入したこと。
  • 同意書にも気腫の発生については記載していたが縦隔気腫とまでは記載しておらず、合併症ではあるが事前に患者に対する十分な説明ができていなかった。

改善策

  • 同意書について
    • 合併症の記載をより強調する
    • 起こる可能性を数字化して記載する
    • 縦隔気腫発生時の入院加療の可能性まで追加記載する

など、より詳細な内容になるよう改善を行う。

事例50:異物の体内残存に関する医療事故

実施した医療行為の目的

7┌近心にカリエスを認めたので紹介受診。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 初診。7┌近心部に歯髄まで及ぶカリエスあり、生活反応ないため、感染根管処置開始。
  • 切削時に痛みを感じられたので、一部生活していると考えられたので浸潤麻酔下にファイルを用いて根管治療を行った。
  • この際、全顎的な状態も確認したいとのことで、パノラマX線撮影。
  • この頃から、7┌根尖部にファイルらしき像があるが、当時は気づいていなかった。
  • その後、根管内に残髄症状あり、麻酔下にて拡大。
  • 出血が多く炎症または穿孔の可能性を疑っていた。
  • 出血はとまっていたが、近心根に触れると痛みあったため洗浄のみ。
  • 根管内より、出血排膿があり、穿孔の可能性も疑われたので帰宅時にX線撮影。
  • この時、遠心根根尖孔外に破折ファイルを確認。
  • ファイル破折のことを患者に説明。
  • こちらのミスであることを説明、謝罪を行った上で今後の治療方針として
    • このまま症状がなければ保存的に根管充填し、補綴処置を行う
    • 意図的再植によってファイル除去をする
    • 歯根端切除術

という方法を提示。

  • 患者は歯を抜くという行為に拒否感あり、今後の治療方針と現状にどうしても納得ができないとの訴えあり。
  • 上級医に相談。
  • 文書にて利点・欠点等をまとめて説明し、その後に上級医が診察することとなった。
  • 文書をまとめ(利点・欠点および症例提示、ファイル破折時の対応等)説明。
  • 上級医診察。
  • 根管内ファイル除去を試みたが、除去はやはり奥にあり視野の確保も得られないので困難、最初に提示した方法のどちらかが今後の治療方針として考えられることを説明。

医療事故発生の要因

  • ファイルの破折に主治医がすぐに気づかなかった。
  • 歯内治療器具の使用前確認、使用中確認とともに、使用後の確認が徹底できていなかったため、ねじれがきつくなっていたり、ゆるんでいるファイルがリユースされていた可能性がある。

改善策

  • 根管治療開始前に患者に破折の危険性があることや折れた場合の対応などについて事前に説明し、ICを取得する。

    • 本事例ではファイルの破折に関する事前説明を患者に行っていなかった。
    • ファイル破折の確率は低くない。
  • ファイル破折を含めた根管治療時における偶発症について治療開始前に説明を行い、同意書を取得することも検討。

  • 器具破折の予防策

    • 歯内治療器具の使用前確認、使用中確認
    • 使用後の確認を徹底
  • 使用前や使用中にファイルのねじれがきつくなっていたりゆるんでいるのを見つけた場合はそれを破棄し、新しいものを使用する。

  • 使用後の確認はダブルチェックとし、ファイル破折を見落とす可能性を軽減する。

  • ファイル破折が確認された場合はこれを破棄することで、破損したファイルのリユースを防ぐ。

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