【事例研究】歯科医師による医療事故まとめ(8ページ目)

【事例研究】歯科医師が当時者となった医療事故8

過去に歯科医師が当事者となった医療事故の事例をまとめました。
歯科医師による医療事故を少しでも減らすため事例研究にお役立ていただければ幸いです。

※個別の事例についてのお問い合わせには応じかねます。予めご了承ください。

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事例176:治療・処置の実施に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

手術時のサインイン。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • サインインを行う前に麻酔導入を開始。
  • まだ主治医が居ないことを麻酔科と確認。
  • その後一度リバースをかけて覚醒させ、主治医師到着後にサインインし再度導入。

医療事故発生の要因

  • 麻酔器の画面は患者入室後の画面になっていたため、患者確認がなされていると思い込み、思い違いがあった。

改善策

  • 関係診療科内での検討および医療安全部門への報告(報告書作成)。

事例177:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 当該患者は、当院歯科口腔外科の初診で下顎前突症と診断され、同科連携先の矯正歯科医院に紹介。
  • 同矯正歯科医院からの依頼で埋伏智歯(右上と左下の2本)の抜歯目的で当科を再診、CT検査の結果、右上7番(第二大臼歯)及び右上8番(埋伏智歯)が埋没し、右上7番は萌出不全歯であることが確認。
  • 左下8番(埋伏智歯)を抜歯し、その後に創部を抜糸後、約2ヶ月後に右上8番(埋伏智歯)を抜歯した。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 矯正歯科医院から誤抜歯の旨の連絡。
  • 右上8番(埋伏智歯)を抜歯すべきところ、誤って右上7番(第二大臼歯、萌出不全歯)を抜歯したことを確認。
  • 患者側に謝罪。

医療事故発生の要因

  • 主治医の抜歯する歯の確認行為が疎かで、思い込みによるものである。
  • 主治医は、抜歯すべき右8番を稀にある右9番と思い込み、誤って右7番を抜歯した。
  • 当該患者は、下顎前突症(反対咬合)のため、レントゲン上、噛み合わせが1本分ずれた位置にあり、抜歯する歯の位置を見間違えた可能性がある。
  • 抜歯する場合は、必要に応じ、その歯にマーキングするが、本件の場合、右上7番(第二大臼歯)、右上8番(埋伏智歯)とも埋没し、マーキングすることができなかった。
  • 矯正歯科医院からの紹介状の内容は「8番埋伏歯抜歯」と歯式表示のみで、リスク等の記載がなかった。

改善策

  • 右上7番の誤抜歯による影響は、今後の歯列矯正及び顎矯正手術後でないと予測できない。矯正治療で右上8番の埋伏智歯を引っ張り出し、誤抜歯した右上7番の代歯となる可能性も否定できないことから、症状固定(3~4年後)するまで、経過観察。

  • 紹介元の医院と連絡を密にし、詳細な情報まで共有する。

  • 抜歯する場合、アシスタントとブリーフィングを徹底する。

  • 医局のカンファレンス等でレントゲンフィルムを検証する場合は、プロジェクターを使用し、画像を大きく映して観察する。

事例178:方法(手技)の誤りに関する医療事故

実施した医療行為の目的

歯根膜炎の患部に対して、ネオクリーナーとオキシドールを使用し、交互洗浄を行い根管貼薬を行った。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • ネオクリーナー(次亜塩素酸ナトリウム液10%)とオキシドールを使用し根管の交互洗浄。
  • 治療終了後、患者は何の申し出もないまま帰宅。

  • 翌日、患者より「昨日の治療中から左頬がヒリヒリとしていたが、帰宅後にだんだんと痛くなり氷で冷やしていたが、今朝になっても腫れが引かず痛い」との電話連絡を受けた。

  • 直ちに来院を促し診察してみると、左側口角部に3cm程度の線状の痣が出来ていた。

  • 薬剤(次亜塩素酸ナトリウム液10%)を準備する際に、グローブを着用していた手指に薬剤が付着してしまった事に気が付かず、その状態で治療を行ったために患者に触れた部分(左側口角部)が、ただれてしまったものと推測。

医療事故発生の要因

  • 薬剤の準備後、術者の手指の確認、処置に入る前の手洗いを怠った。

改善策

  • 薬剤の準備後、グローブを着用した手を洗ってから治療を開始する。
  • ラバーダム防湿を行い、患者の口腔内、口唇、口角等に薬品が付着しないようにする。

事例179:治療・処置の管理に関する医療事故

実施した医療行為の目的

疼痛を示す大臼歯に対するう蝕治療。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 局所麻酔下にて右上第一大臼歯を切削及び抜髄術を行う。
  • 治療終了後に患者の半側上肢及び下肢に運動障害等が生じ、脳血管障害が疑われたため、近隣の総合病院に緊急搬送。
  • CT検査等の結果、視床に脳出血が確認され、内科的に長期加療を施すも高次脳機能障害が固定したもの。
  • 当該歯科診療との関係性については不明。

医療事故発生の要因

  • 本患者は慢性的な高血圧症であったが、若年者という事で診療前の血圧測定を怠っていた。
  • 当該歯科治療と本症との因果関係は不明だが、血圧コントロール下での歯科治療の実施を検討する余地はあった。

改善策

  • 一般歯科治療前の血圧測定の実施
  • リスク患者に対する生体モニタリング下での歯科治療の実施
  • 歯科治療と基礎疾患の関係性に関する講習会の実施

事例180:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

上顎正中の過剰埋伏歯2本の抜歯。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 学童男児の全身麻酔下での上顎正中過剰埋伏歯(2本)の抜歯手術に際して、抜歯する予定の過剰歯と誤って隣の萌出前の永久歯を抜去。
  • 抜歯手術4ヵ月後、左上2番の永久歯が生えてこないことから、X-P撮影を実施し、抜歯されているはずの過剰歯が残存しているとともに、隣接していた永久歯が抜去されている事実が判明。

医療事故発生の要因

  • 抜歯する歯は、埋伏していて抜歯する歯そのものにマーキングできなかった。
  • 術中、抜歯前に、術者および助手で、いったん手を止め、抜歯する歯の確認をしなかった。
  • 術中に部位確認のためのX-P撮影を行うことが難しい。

改善策

  • 手術に際して、X-P写真との照合などによる部位等に関する確認を、複数のスタッフによってさらに慎重に行う。
  • 術中、抜歯する前に、術者および助手で、一旦手を止めて、抜歯する歯を再度確認した上で抜歯する。(場合によっては、X-P写真やCT画像と 確認する)
  • 手術中に部位の確認が困難な時は、ポイントを示し、X-P撮影をして確認する。
  • 手術後には、抜歯が予定通りに実施されたことをX-P写真で確認する。

事例181:誤飲に関する医療事故

実施した医療行為の目的

重度歯周炎にて歯周病科で上顎右側臼歯部を固定。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 重度歯周炎にて歯周病科で上顎右側臼歯部を固定するためにワイヤーを埋め込む処置を行う際に、口腔内にてワイヤーがピンセットから脱落。
  • 声掛けを行い、体を横にするも反射的に誤飲。

医療事故発生の要因

  • 不明

改善策

  • 誤飲防止のために、口峡部にガーゼを置いた状態もしくはラバーダムを装着して処置を行う。
  • ワイヤーの把持には、滑り止め付きピンセットを使用する。
  • 患者にあらかじめ落下する可能性があることを説明しておく。

事例182:治療・処置の管理に関する医療事故

実施した医療行為の目的

下顎骨悪性腫瘍手術施行

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 右側下顎扁平上皮癌治療目的で、本院歯科口腔外科に入院となった患者。
  • 下顎骨悪性腫瘍手術施行、術後良好で、経管栄養から術後10日目ミキサー食、術後13日目きざみ食での食事状態となっていた。
  • 患者には病院食以外は食べないように、顎に負担をかけないよう説明していたが、あられを食べた後に下顎骨に疼痛があると患者からの訴えがあり、X線パノラマ写真を撮影、下顎骨の骨折を認めたため、下顎骨折観血的手術を施行。

医療事故発生の要因

  • 堅いものは食べないように説明していたが、認知機能低下がみられよく理解できていなかった。
  • 食べ物に対する欲望が強く、骨折発見時、おかき等の堅いお菓子がベッドサイドの引き出しに複数あった。
  • 病棟管理上、患者の私物を観察していなかった。

改善策

  • 術後の食事指導についてわかりやすいパンフレットを作成し、患者・家族に明確に説明する。

事例183:医療機器等・医療材料の使用に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

抜歯後の処置にて来院。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 歯科治療が終了後、歯科用ユニット肘掛下のあたりから火花が飛び散り焦げ臭いにおいがした。
  • 確認すると患者のライターが背もたれ付近に落ちており背もたれを自動で動かした時にそのライターが着火したようであった。
  • すぐに確認ができたため大事には至らなかった。
  • 診療終了後は背もたれ付近に何も落ちていないか確認の徹底をするよう指示。

医療事故発生の要因

  • 診療終了後、歯科用ユニット周りの落し物等の確認の不備。

改善策

  • 診療終了後は歯科用ユニットの周りや背もたれなど何も落ちていないか確認の徹底をする。

事例184:方法(手技)の誤りに関する医療事故

実施した医療行為の目的

顎変形症の診断にて、上下顎の位置を改善するための手術(上下顎同時移動術)。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 全身麻酔下で上下顎同時移動術を施行。
  • 手術は予定通り行われ、特に問題となる事態はなかった。
  • 退院後、外来診察時に患者から右鼻孔の狭窄(鼻孔の変形)の訴えがあった。
  • CTを撮影し、上顎骨の正中が右側に偏位し、そのため鼻中隔が右側に湾曲していることがわかった。
  • 手術中に、予定とは異なる偏位した位置で上顎骨を固定したためであると考えられた。
  • 位置を間違えた原因として、上顎正中の位置決めの基準とした鼻尖がもともと右側に偏位していたためと考えられた。
  • 上顎の位置の偏位について本人と家族に説明し、再手術をした方がよいとの判断を伝えたところ、ショックを受けたようであった。
  • 再手術の同意が得られたため、再手術を施行し、上顎の位置を当初計画した位置で固定し、鼻孔の変形も改善した。
  • 上顎の位置を決める方法としてダブルスプリント法が全国で一般的である。
  • この方法はまず上顎の位置を決めて固定した後に下顎の位置を決める方法で、2つのスプリントを用いる。
  • 本術者は上下顎を固定して上下顎を一体として固定する方法で、スプリントを用いずに位置を決定するため経験を要する方法であり、一般的でない。
  • ダブルスプリント法というスタンダードな方法を用いた方が今回のような過誤が少ないと考えられた。

医療事故発生の要因

  • 上顎の位置を決める方法としてダブルスプリント法が全国で一般的である。
  • この方法はまず上顎の位置を決めて固定した後に下顎の位置を決める方法で、2つのスプリントを用いる。
  • 本術者は上下顎を固定して上下顎を一体として固定する方法で、スプリントを用いずに位置を決定するため経験を要する方法であり、一般的でない。
  • ダブルスプリント法というスタンダードな方法を用いた方が今回のような過誤が少ないと考えられた。
  • 位置を間違えた原因として、上顎正中の位置決めの基準とした鼻尖がもともと右側に偏位していたためと考えられたが、ダブルスプリント法であればこのような過誤を防げたかもしれない。

改善策

  • 上顎の位置を決める方法として原則としてスタンダードなダブルスプリント法を用いる。
  • 患者によってはダブルスプリント法が困難な場合もあるため、その際は術前、術中に位置を確認する方法を協議して、位置を複数の医師で確認をする。

事例185:与薬に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

手術の際の感染予防。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • バンコマイシンの急速、過剰投与。

医療事故発生の要因

  • 事前に手術室に申し込んだ抗生物質と手術当日に投与するために病棟から持参した抗生物質が異なっていた。
  • 変更後の抗生物質は主治医に口頭で確認したが、投与量の確認を双方で行わなかった。
  • 申し込み時の薬剤の用量でバンコマイシンを投与してしまった。

改善策

  • 抗生剤は必ず主治医に投与量、投与速度、投与間隔を確認し、復唱する。
  • 小児の薬剤準備は主治医が麻酔記録に量を記載することや、主治医が薬剤調整を行う等のルールを明確にする。

事例186:に関する医療事故

実施した医療行為の目的

顎変形症に対して下顎骨骨切り手術。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 下顎骨骨切り手術を行った際に骨の分割に用いたマイセルの刃が折れ、破折片が創部に遺残した。

医療事故発生の要因

  • 不明

改善策

  • 使用前後での看護師、医師による目視での確認を行う。
  • 手術後できるだけ早期に確認のエックス線撮影を行う

事例187:ドレーン・チューブ類の不適切使用に関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 舌癌術後右側頸部リンパ節後発転移にて左側根治的頸部廓清術施行にて原発巣を含めた左側頸部への放射線外部照射施行。
  • 転移巣が内頸動脈を浸潤している可能性が高く、手術困難と判断。
  • 全身科学療法を開始。
  • 入院加療中、両側反回神経麻痺による気道閉塞によるが予測されたため、気管切開を施行した。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 経鼻栄養チューブで栄養を補給していたが、嘔吐によって経鼻栄養チューブが抜けた。
  • 担当医が経鼻栄養チューブを再挿入し、チューブ先端の位置を確認し、栄養剤を注入。
  • 約20分後気管カニューレから栄養剤が喀出されており、チアノーゼ状態を呈していた。
  • 直ちに気管カニューレおよび経鼻栄養チューブより栄養剤を吸引。
  • 再挿入時のX-Pで読影したところ、チューブが左側気管内に挿入されていることを確認。
  • 胸部X-Pを撮ったところ、左側下肺野に陰影を認め、栄養剤の肺への誤注入と判明。
  • 呼吸器科での対応が必要であると判断し総合病院へ救急搬送。

医療事故発生の要因

  • 頸部リンパ節後発転移巣によって、頸部の可動域(頸部の屈曲や伸展)に制限があり、経鼻栄養チューブが気管内に誤挿入されやすい状態であった。
  • 担当医は咳たん反射が生じなかったことと、気管カニューレのカフが作動していることから、経鼻栄養チューブが気管内に挿入されているとは認識できず、誤挿入はないと最終判断した。

改善策

  • 経鼻栄養を注入する前には、胸部X-P撮影を行い、チューブ先端の位置を確認する。
  • 他の確認方法(吸引で胃内容液を確認、気泡音を確認など)も行う。
  • 挿入後は担当医に関係なく、上席医の確認を得る。

事例188:治療・処置の実施に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 7年前まで他院歯科に通院。
  • その後対人恐怖症で引きこもり、治療中断。

  • 4ヶ月前、右下奥歯にズキズキとする鈍痛を自覚。

  • 同部位腫脹を感じ、歯科初診。

  • 全顎的補綴治療を行うにあたり、841┘、6521┬4の残根は保存不可能と判断、顎口腔外科に抜歯依頼があった。

  • 歯科口腔外科を初診。

  • 抜歯本数が多いため、抜歯は2回に分けて行うこととした。
  • まず84┘65┐抜歯を行い、その後21┬4、1┘の抜歯を行う治療計画を説明した。
  • 最初に84┘65┐抜歯についての手術同意書を取得し、抜歯を行った。
  • その後、21┬4、1┘抜歯についての手術同意書を取得した。
  • 同意書で記載した図では抜歯部位に誤りは認めなかった。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 2回目の抜歯時 担当医Aにより、21┬4、1┘抜歯施行。
  • 抜歯した際の下顎の歯牙の状態は、4321┬1234が残存しており、21┬4が残根状態、┌1は歯冠が齲蝕によって一部崩壊している状態であった。
  • 術中・術後に異常所見は認めず、止血を確認して終了した。

  • その後、他科受診時に患者より残根(2┐)の指摘を受け、他科の担当医Bは21┐ではなく1┬1を抜歯していることを認識。

  • 「まだ残根(2┐)が残っているので、抜歯してください」との依頼を受けた担当医Aは、追加の3┐の抜歯と思い、患者と相談して予約を行った。

  • 患者帰宅後、当科担当医Aは歯内治療科担当医Bより、「誤抜歯ではないか?」との指摘を受けた。

  • そこで初めて当科担当医Aは、21┐ではなく1┬1を誤抜歯したこと、次回抜歯予定の歯が3┐ではなく2┐であることに気づき、その旨を主治医に報告した。

医療事故発生の要因

  • 視診での歯牙の確認不足
    • ┌1は高度のう蝕があるものの保存は可能と考えられる歯であった。
    • 改めて口腔内を確認すれば、抜歯が必要であった歯を確認することは可能であった。
    • 顎口腔外科における要抜歯部位の医学的判断および再確認の二つの誤認が重なり生じたものである。
  • デンタルX線写真の確認不足
    • 下顎前歯部デンタルX線写真のみで位置確認を行っていたため部位を誤認した。
  • 紹介担当医への確認不足
    • 今回は全顎的に残根や齲蝕歯が多く、抜歯する歯の確認が困難であったため、疑問を感じた場合は紹介担当医に確認を行うなどの配慮がなかった。

改善策

  • 歯の確認が困難な症例のうち当院からの抜歯依頼は、誤りがないように紹介医が抜歯する歯を画像上で印をつけて紹介状に添付してもらい、当科外来医長宛てに直接連絡して依頼してもらう。その後、外来医長が当科担当医に割り当てる。
  • 抜歯前の十分な歯の確認と少しでも疑問に感じた場合は、紹介医に確認をとる。
  • 抜歯直前に抜歯する歯牙のマーキングを行い、担当医および患者と抜歯の位置を再確認する。また当院からの抜歯依頼の場合、可能であれば紹介担当医とともに確認を行う。
  • X線写真が左側に偏位していたことも誤解を生じた原因の一つと考えられるため、担当科に正中に両中切歯が写るよう担当科に事例報告を行った。

事例189:治療・処置の実施に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

歯内療法実施のため。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 歯内療法を行う為に、CRにて隔壁を行った。
  • その際、近心側の根管を探索するべく隔壁部を切削していたところ、髄床底を穿孔し出血。
  • 担当ライターに確認してもらい、その指示のもと、顕微鏡下で、MTAセメントにて封鎖。
  • 鎮痛薬を処方。

医療事故発生の要因

  • 技術・経験の不足。

改善策

  • 研修医の指導方法の改善。

事例190:治療・処置の管理に関する医療事故

実施した医療行為の目的

左側舌癌に対しCCRT(化学療法併用放射線治療)のため入院加療中であった。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 左側舌癌に対して根治的CCRTを開始。
  • 水様便を認め、5FUによる有害事象を考え経腸栄養中止し補液管理および止痢剤、整腸剤投与して経過観察。
  • 下痢が無くなり、止痢剤を中止したが下痢の再燃は無かった。
  • 5FUの投与も終了したことから、経腸栄養再開となったが、再開翌日より再度下痢が出現。
  • 経腸栄養流速をダウンしても改善無いため夕方より再び経腸栄養を中止。
  • 高血糖および全身倦怠感出現し、代謝内科医師指示により血糖管理を変更するも改善がみられず、更に倦怠感増悪したため採血したところ急性腎不全を疑うデータとなった。
  • 腎臓内科コンサルトし外液負荷およびIN-OUT管理開始。
  • 一旦は倦怠感に改善傾向がみられたが、乏尿および腹部膨満感が出現。
  • 消化器内科医師の指示で緊急CTを行ったところ、腸管拡張および門脈気腫疑う所見となり消化器外科対診。
  • 緊急手術でも救命は難しいとの判断となり、家族へ説明。
  • DNARを承諾され、その後、永眠。

医療事故発生の要因

  • 化学療法後に事態は発生しているが、病理解剖を拒否されており、正確な死亡原因、および死亡と化学療法との関連性は不明である。
  • 5FU投与後の下痢に対しできうる限りの対策は行っていたが、腸管拡張や門脈気腫症に関しては予期できぬイベントであり、急激な全身状態の悪化に対する早期対応や治療は困難であったと考える。

改善策

  • 予期せぬ事態ではあったが真摯に受け止め、今後も引き続き下痢等消化器症状出現時は適切な対応を取りつつ、腸管拡張や門脈気腫症も念頭に置いて、今まで以上に関係各科とより密接な連携を取りながら診療を行う。

事例191:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

全身麻酔下での晩期残存した乳歯と埋伏乳歯を抜歯。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 右上顎歯の歯列矯正のため、隣接した晩期残存した乳歯(右上顎第一乳臼歯)と埋没乳歯(右上顎第二乳臼歯)の2歯を抜歯の予定であったが、術前に晩期残存した乳歯(右上顎第一乳臼歯)が自然脱落しており、脱落した乳歯の奥にあった後継永久歯(右上顎第一小臼歯)を間違えて抜歯。
  • 術後は、創部にガーゼを挿入しており、また抜歯してしまった永久歯は、埋伏している認識であったため、誤抜歯に気がつかなかった。
  • 紹介医が確認のためとったX線写真により永久歯が欠損していることに気づき連絡があり、誤抜歯が発覚。

医療事故発生の要因

  • 治療計画の説明を十分に行っていない状況で、抜歯予定ではない永久歯を乳歯と取り違えて抜歯したことは、確認が不十分であり問題であると考えられた。

改善策

  • 医療事故調査委員会で再発防止策の検討を行い、その後、さらに検討を重ねた結果、以下のとおり策定した。
  • 手術室における誤抜歯の再発防止策として以下の事項を実施する。
    • 術前に歯科診療台等の十分な環境で視診を行い、X線写真やCT等の画像所見と比較検討し、抜歯部位を確認する。
    • この確認作業は複数の歯科医師で行う。
    • 前回の撮影日から3か月以上経過した場合は、再撮影を行い術前検討に用いる。
    • ただし、混合歯列期においては、必ず手術前日にX線写真等を撮影し、前回のX線写真等と比較の上、複数の歯科医師で抜歯部位の確認を行う。
    • 術前タイムアウトの際は、手術計画立案時のX線写真等と最新のX線写真等(上記1で撮影した場合)を掲示し、抜歯部位確認書を用いて、術者、助手で抜歯部位と術式の確認を行う。

事例192:治療・処置の実施に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

右下智歯水平埋伏歯の抜歯。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 患者は右下智歯水平埋伏歯の抜歯目的で紹介され、外来受診。
  • 歯科口腔外科医師が、右下智歯水平埋伏歯の歯肉切開、周囲骨削合を行い、歯冠を分割して除去。
  • 根部の抜歯に取り掛かり、2根あるうちの1根を抜去したが、残存していた1根が舌側骨膜下に迷入。
  • 外来医長に確認してもらい、一旦閉創。
  • 歯科用CTを撮影し舌側骨膜下に根を確認。
  • 感染の可能性があるため、医師が患者に摘出をすすめたが、嘔吐反射が強く、安全に行うため、今後全身麻酔下での摘出予定となった。

医療事故発生の要因

  • 術前に撮影した歯科用X-Pでは舌側骨の菲薄化は予測できなかった。
  • 抜歯部の舌側皮質骨の菲薄化している部分から根の一部が骨膜下に脱落した。

改善策

  • 水平埋伏歯では根が舌側に近接しており、舌側骨の菲薄化も予測されることから、注意深く操作をする。

事例193:治療・処置の実施に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • かかりつけ歯科より右側下顎水平埋伏智歯の抜歯の依頼があったが、下顎管に近接していたため、まずは歯冠のみ抜去し、その後歯根の移動を確認後抜歯を完了させる予定であった。
  • 歯冠除去後、歯根の移動が確認できたため、事故当日外来処置室にて局所麻酔下に歯根抜去を行った。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 患者より電話にて抜歯日程の予約をうけ受診。
  • 歯根の状態を確認するためX線撮影を行い、再度外来に来られた。
  • 処置室(オサダ製ユニット#10)に移動してもらい、通常通り処置を開始。
  • 2%キシロカイン(エピネフリン含)1.8mL、2本にて浸潤麻酔を行い、歯肉を切開剥離し、歯根を確認、ストレートハンドピースを用いて、歯根を分割の上完全抜去。
  • 縫合し、止血ガーゼをかんでもらい、外来外の待合に移動。
  • 基本カードを渡す際に、本人より右下顎部の違和感の訴えがあり、右頬部に捻髪音を伴う著明な腫脹を認め、皮下気腫が疑われた。
  • すぐにCT撮影し、広範な気腫を確認。
  • 全身状態観察のため、歯科病棟へ緊急入院。

医療事故発生の要因

  • 初診の際、智歯の抜歯による皮下気腫発生のリスクについては書面で説明され、同意書も取得されていた。
  • 骨膜の操作を行なっており、切削器具使用時に皮下気腫が発生した可能性がある。
  • 水量や勢いに異常が無いか業者に確認したが、特に問題は無かった。

改善策

  • リスクを踏まえた十分な術前説明。
  • 切削器具使用前には、術者および助手2名で、器械の調整を行なう。

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