【事例研究】歯科医師による医療事故まとめ(3ページ目)

【事例研究】歯科医師が当時者となった医療事故3

過去に歯科医師が当事者となった医療事故の事例をまとめました。
歯科医師による医療事故を少しでも減らすため事例研究にお役立ていただければ幸いです。

※個別の事例についてのお問い合わせには応じかねます。予めご了承ください。

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事例51:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

右下ブリッジ(76┐)の咬み合わせ咬合調整。
左下ブリッジ(┌45)の下顎の側方滑走時の咬合調整。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 歯科補綴科において慢性辺縁性歯周炎中等度に対する治療を開始。
  • 治療開始から半年後、右下ブリッジ(76┐)の咬み合わせ咬合調整、左下ブリッジ(┌45)の下顎の側方滑走時の咬合調整。
  • 患者から電話があり、咬み合わせの調整直後から、むかむか感と手の脱力感・しびれが出現し、寝ても症状は改善されず、吐き気もあると連絡。
  • その後、何度か外来受診し担当医と話をしたが納得することはなかった。

医療事故発生の要因

  • 患者の治療に対する希望をしっかりと聞き取ることができなかった可能性がある。

改善策

  • 不明

事例52:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

右上顎2番埋伏過剰歯の抜歯。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 外来患者に右上顎2番相当部に埋伏する過剰歯の抜歯術を施行。
  • 抜歯後のX線検査を行ったところ、本来抜歯すべき歯とは異なる上顎側切歯を抜歯したことがわかった。

医療事故発生の要因

  • 術者は処置前のX線検査(歯軸方向撮影)で歯列外に外れている歯牙を抜歯すべき過剰歯と思いこんで抜歯してしまった。

改善策

  • 誤読影を防止するため放射線科医の所見を確認するのは当然のこととして、複数人で読影する。
  • 単純X線撮影のみでは読影が困難な場合はCT撮影を追加する。
  • 従来の「外来処置情報提供書」の他に、新たに文書を作成し、これを説明と同意に活用する。
  • ごく稀にしか起こらない偶発症(頻度0.1%以上、例えば舌神経麻痺など)についても説明する。
  • 処置前にタイムアウトを実施する。
  • 複数の医師で処置する。
  • 外来カンファレンス(週1回)を実施する。

事例53:禁忌薬剤の処方に関する医療事故

実施した医療行為の目的

カロナール処方

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 顎関節強直症で筋突起切除・左下顎第三大臼歯抜歯行い、外来通院中の患者。
  • 左臼歯部・左顔面痛あり咬合調整・鎮痛剤処方していたが、各種鎮痛剤効果ないため筋痛に対してカロナール処方。
  • 初診時よりアセトアミノフェンに対してアレルギーあることを申告していたが、これに関して見落とし、処方・内服開始。
  • 湿疹あり2日間で中止。

医療事故発生の要因

  • 確認不足

改善策

  • 処方時に再確認

事例54:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

インプラント除去術

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 局所麻酔後、手術部位のブリッジを半分程度、切断したところで左右の間違いに気づいた。
  • 患者に謝罪し、当該部位に局所麻酔を施行し、手術を行った。
  • 切断部位に関しては修復処置を行った。

医療事故発生の要因

  • 手術部位確認を患者とともに行わなかった。

改善策

  • タイムアウト実施の義務化(検討中)

事例55:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 下顎前突症に対し、オトガイ形成術及びプレート除去術を施行。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 骨格性開咬を伴う下顎前突症に対し両側下顎枝矢状分割法を行うも、オトガイ部の突出感が改善されず、本人の希望により翌年にオトガイ形成術ならびにプレート除去術を施行。
  • 手術終了後帰室。オトガイ部の腫脹は軽度であった。
  • 主治医診察時、軽度呼吸困難感の訴えがあり、口底部の腫脹を確認。
  • 術後出血と判断され、緊急手術。
  • 手術室へ搬入。
  • 搬入時、患者は起座呼吸の状態で半坐位の態勢も困難であり、挿管するにあたって意識レベルを低下させることが必要と判断。
  • 静脈麻酔開始し意識消失後、水平位でマスク換気を試みたが十分な換気が得られず、経鼻気管挿管用チューブを左の鼻孔より挿入し、エアウェイとして用いた。
  • 気道確保のため気管挿管を数回試みたが難航し、チューブを介する換気法では十分な換気量が得られなかったため、緊急気管切開術を開始。
  • 同時にステロイドとアミノフィリンの投与を開始。
  • この時点でETCO2の波形は認められなかった。
  • 頸部腫脹により気管の同定が困難な状態であり、SPO2 が60%へ低下したため至急コールを要請。
  • 気管チューブを通して換気を行い、SPO2 99%まで回復。
  • その後徐々にSPO2下降し、NTチューブ抜管時には0~10%まで低下した。
  • スパイラルチューブ(7.0~6.5mm)の挿管が困難であったため、小児用スパイラルチューブを挿管するも明らかな上昇が見られず、マスクによる換気を行った。
  • 一時的な回復はあるものの再び下降したため、PCPSの準備を開始。
  • 耳鼻科医師により、気管切開術施行。
  • ETCO2の断続的な測定ならびに胸部挙上、両肺の呼吸音を確認。
  • チューブを小児用から7.0mmへ交換した際、食道に30mm程度の裂創を認めた。
  • 胸部X線撮影にて、右肺野の不透過性亢進を確認。
  • 食道裂創閉鎖術を終了し、創部止血処置開始。
  • 処置終了後のX線撮影で、右肺野の透過性がやや改善していることを認めた。
  • 全身精査管理のためICUへ入室となり、翌日には口腔外科病棟へ転科。
  • 同日の脳波検査で広汎性の軽~中等度脳機能低下が示唆され、神経学的に見当識障害はないものの、計算スピードの軽度遅延が認められた。
  • その後は徐々に回復し、後遺障害を認めていない。
  • また、術後の内視鏡検査において左側声帯麻痺を認めた。
  • 嚥下障害食2を開始し、誤嚥なく常食までアップできたが、左声帯については経過観察を行い、改善がなければ喉頭形成術を検討することとなった。

医療事故発生の要因

  • 緊急手術で全身麻酔を依頼する際、患者状態の伝達が不十分であった。
  • 歯科麻酔科内部及び医科麻酔科への連絡体制が不十分であった。
  • 緊急気管切開の症例は稀であり、緊急時の手技に不慣れであった。また耳鼻科との連携が不十分であった。
  • 緊急コールの要請が遅れた。
  • 緊急コール後の指揮体制が整っていなかった。

改善策

  • 挿管困難が予想される症例では、上級医への連絡徹底と、医科麻酔科や耳鼻科へ早い段階での応援要請を行う。
  • 気管切開施行の際は、耳鼻科と連携して行う。
  • 緊急対応時のリーダーを明確にし、チームとして行動する。
  • 担当医、執刀医による術後確認、ならびに担当看護師との術後合併症の知識共有を徹底する。

事例56:未実施・忘れに関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 狭心症によるバイパス手術予定であり、口腔内感染源除去目的に、抜歯術施行となった。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 手術室にて局所麻酔下に右下8、左下8、右上876、左上67抜歯術施行。
  • 経過観察及び抜糸施行し、退院。
  • このとき、創部粘膜上には歯牙は認めなかった。
  • 遠方の患者であり、経過観察をかかりつけの他クリニックに依頼。
  • 主治医より診察結果の確認をしたところ、同クリニックでの診察の結果、右下8部粘膜上に歯根状の硬組織を認めたとのことであった。
  • 同日患者に電話連絡をし、再度受診。
  • デンタルレントゲンにて確認をしたところ、右下8近心根の遺残を確認。
  • 同日、歯科外来処置室にて、局所麻酔下に抜歯を行った。
  • デンタルレントゲンで再度確認し、歯根遺残がないことを確認。

医療事故発生の要因

  • 抜歯時、抜歯歯牙の歯根の確認が不十分だった。(デンタルレントゲン撮影の必要性の判断が曖昧だった)
  • 術中、複数での確認ができていなかった。

改善策

  • 抜歯時、複数で抜歯歯牙の歯根の確認を行う。
  • 確認が不十分の場合、デンタルレントゲンで確認する。
  • 処置に際しては、事前に十分検討し、コミュニケーションをよくする。

事例57:誤飲に関する医療事故

実施した医療行為の目的

歯石除去

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 歯石除去中に左第一大臼歯に装着してあったインレーが脱離し、誤嚥。
  • 胸部エックス線にて気管支にインレーが存在していたため、呼吸器外科医と相談。
  • 沈静下で内視鏡透視下でインレー確認中、せき込みで口腔内に戻り鉗子にて摘出。

医療事故発生の要因

  • 患者は精神発達遅滞と脳性まひがあり、開口が困難でなおかつ歯科治療に非協力的で治療中の体動が激しかった。
  • 歯科医師及び歯科衛生士が協同し、バイトブロックを装着し顔を抑えて超音波スケーラーにて歯石除去。
  • その際、左上第1大臼歯のインレーが脱離したものと思われるが、体動が激しくその瞬間には気付かなかった。
  • 患者が咳き込んだため、おかしいと思い口腔内を精査したところ、インレーがなくなっていることに気付いた。
  • 開口が困難で口腔内がよく見えない状況でスケーリングを行っていたことが原因と思われる。

改善策

  • 開口が困難なことから、本人負担を考慮し開咬器を使用せずバイトブロックを使用していたが、
    • 可能であれば開咬器をしようすること。
    • 不可能であれば、補綴物近辺の超音波スケーラーの使用は注意すること。

事例58:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

他院より矯正目的のために依頼された埋伏智歯の抜歯。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 左下第3大臼歯の埋伏智歯の抜歯を施行。
  • 経過順調で抜糸し、終診。
  • 院外矯正歯科医院から、左第2大臼歯が消失し誤抜歯があった可能性を指摘。
  • 研修医は上級医に報告し、歯科医院に出向いてレントゲンを確認し、誤抜歯を認識。
  • 上司の医師は電話で誤抜歯を患者の母に伝え、謝罪。

医療事故発生の要因

  • 第3大臼歯の埋伏および第2大臼歯も半埋伏していた
  • 研修医は、半埋伏歯を智歯と思い込んだ

改善策

  • 抜歯等の重大な傷害が起こりうる手技を実施する際は、術者を含み2名以上の歯科医師あるいは歯科衛生士により対象歯牙を確認する。
  • 抜歯対象の埋伏歯牙を確認する際、前後の歯牙が埋伏していたときは、上級医の確認をとる。
  • 指導医は難度が高いと判断した症例については必ず立ち会う。

事例59:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

下顎右側の埋伏第一大臼歯の開窓。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 開窓術中、牽引用装置を萌出遅延歯へ接着するために同歯面をエアで頻回に乾燥させていた。
  • 装置を接着して手術は終了したものの、右側顎下部の腫張を認めた。
  • 皮下気腫を疑い、CTを撮影した所、気腫を確認。
  • 御本人・付き添い家族に対して説明。
  • 気腫の消失まで感染防止と気道管理を中心とした入院管理を同日より行なうこととなった。

医療事故発生の要因

  • 合併症と位置づけているが、口腔外科が開窓を行ない、矯正科による牽引装置装着を行なったため、気腫の危険度についての認識にズレがあったため。

改善策

  • エアにより歯面乾燥を控え、ガーゼなどによる防湿にする。
  • 装置装着用の材料を湿潤下で使用しやすいものに変更する。
  • 開窓と装置装着の日を変える。

事例60:診断結果と報告に関する医療事故

実施した医療行為の目的

組織診

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 舌腫瘍疑いで生検行い扁平上皮癌の診断・入院。
  • 歯科クリニックより直径1mm台の隆起と白斑を認めたため歯科クリニック受診後、紹介となった。
  • 歯科クリニックでは義歯による反応性変化か白斑症と診断されたが、念のため組織診を行い、その結果「Cellular atypia  疑陽性 異型扁平上皮細胞を少数認める」であったが、本人に結果説明を行っていなかった(再診予約されていなかった)。
  • この事に関して、本人・家族より診断ミスとの指摘と謝罪して欲しいとの希望。

医療事故発生の要因

  • 再診予約の取り忘れ・組織診の結果報告の未確認。
  • 電子カルテ院内メールで通知されるシステムで、注意喚起する仕組みとしている。

改善策

  • 検査結果確認の徹底
    • 検査オーダーをする際にラベルと印刷用紙が出力されるため、印刷用紙をファイリングし、結果が確認されているかを確認する。
    • 担当を決め定期的に診療科の検査結果の一覧を確認し検査結果報告漏れを防ぐ。

事例61:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

残痕部の腫脹、排膿に対する治療。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • モニタリング下で左上の犬歯と小臼歯2本の抜歯を試みた。
  • その際に左側上顎側切歯を誤って抜歯。
  • 抜歯後、義歯調整のため補綴科を受診した際に、補綴科主治医が誤抜歯に気づいた。
  • エックス線写真とカルテを確認したところ左側上顎側切歯は保存し、犬歯と小臼歯2本の抜歯の依頼であったことを確認。

医療事故発生の要因

  • エックス線写真を見て抜歯部位を勘違いした。
  • 歯科デンタルX線写真をプリントアウトして処置台に貼り患者に今日は3本抜歯しますと伝えて確認したが、口腔内の歯を1本1本指摘して確認していない点と思いこみ。

改善策

  • エックス線写真のプリントアウト。
  • 部位記入以外に治療部位の患者との治療直前の確認の徹底。

事例62:治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 下顎智歯周囲炎を認め、かかりつけ歯科で抗生剤、鎮痛剤内服で消炎後、当科紹介受診。
  • 全身麻酔下に下顎両側埋伏智歯抜歯方針となり、抜歯目的で入院となった。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 手術当日の全身状態は体温36.7℃、脈拍72、血圧101/57と安定。
  • 口腔内外所見も悪化所見なし。
  • 全身麻酔下に、両側下顎埋伏智歯に対し、当事者A、Bで通法通り抜歯術施行。
  • 術翌日、左舌の知覚麻痺を訴え、当事者Aが知覚・味覚検査施行したところ、左舌前方2/3の範囲に知覚・味覚麻痺を認めた。

  • 左舌神経麻痺認めたため当事者Aが術翌日から薬物療法 (アデホス腸溶剤180mg/day 3×、メチコバール錠1500μg/day 3×) 開始。

  • 左側智歯部舌側歯槽骨の骨折などの異常所見の有無を調べるためコーンビームCT撮影施行(異常所見なし)。

  • 術2日後、当事者Bから左舌神経麻痺について説明。

  • 術5日後、患者、患者の夫に対し、現在の患者の状態、治療法、治療方針について当事者2から説明。

  • 外科的神経吻合術を検討したが、術中明らかに舌神経を断裂した所見はなく、麻痺改善徴候もあるため、薬物療法で外来followの方針となった。

  • 当事者Aは、当事者以外である病棟医長とともに入院中知覚検査、評価を実施。

  • 手術当日と翌朝にステロイド(ソル・メルコート125mg)DIV施行。

  • 術翌日から薬物療法 (アデホス腸溶剤180mg/day 3×、メチコバール錠1500μg/day 3×)内服開始し、継続。

  • 術後33日目の時点で更に舌の麻痺範囲は縮小。

医療事故発生の要因

  • 舌神経は、一般に下顎第三大臼歯の舌側板から水平的に1~2mm、垂直的には舌側歯槽頂から下方2~3mmを走行すると報告されているが、中には舌神経が下顎第三大臼歯の臼後部歯槽頂付近を走行する破格が存在する。
  • 通法の粘膜切開後、下顎第三大臼歯の歯冠周囲骨を削除する際に鈎で舌側歯肉弁を圧排したが、歯肉弁の損傷、同部の骨膜損傷は生じず、舌神経も露出しなかった。
  • 術後のコーンビームCTでの検査でも、舌側歯槽骨の骨折など舌神経損傷を生じるような異常所見は認めなかった。
  • 舌神経麻痺が出現した原因として、舌神経が通常より臼後部歯槽長付近を走行していた可能性があり、歯肉弁圧排の際に舌神経に障害を与えた可能性が考えられる。

改善策

  • 舌神経は臼後部歯槽頂付を走行する破格のケースもあり、歯肉切開、歯肉弁剥離、埋伏歯を覆っている歯槽骨削合時には十分な注意をする。
  • 舌神経の走行に破格があることを十分に考慮に入れ、丁寧に手術を行う。

事例63:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

智歯抜歯

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 左側智歯抜歯の予定であったが、右側下顎智歯に麻酔をして、歯肉切開を行い、剥離をした時点で部位間違いが判明した。

医療事故発生の要因

  • 患者及び家族にも右側の智歯を抜歯することを確認し開始したが、すでに抜歯していた。
  • 思い込みをしていた。

改善策

  • 口答による抜歯部位の確認、カルテの確認を行う。
  • 同一患者で複数の抜歯を日を異なって行う場合、チェックリストを作成し、抜歯済みの記録を行う。

事例64:部位取違えに関する医療事故

実施した医療行為の目的

抜歯

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 初診で受診された患者の右下8の抜歯依頼であったが、右下7を誤抜歯。
  • 患者より電話にて問い合わせがあり、抜歯前後のパノラマを比較して判明。

医療事故発生の要因

  • 確認、観察が不十分であった。
  • 右下8は粘膜下に埋伏しており、右下7は半埋伏状態であったため、右下7の半埋伏歯を右下8を誤認した。

改善策

  • 複数人での確認。

事例65:方法(手技)の誤りに関する医療事故

実施した医療行為の目的

観血的歯科治療(抜歯)

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 医師Aが歯科外来にて医師Bと当日初診の患者Aの右下完全埋伏智歯の抜歯を行った。
  • 30分ほどで抜歯を完了し、かぶせていた覆布をとると右側顔面の腫脹を認めており、医師Aが皮下気腫の発生に気がついた。

医療事故発生の要因

  • 圧が高かったことによる腫脹

改善策

  • 手技の向上

事例66:処方薬剤間違いに関する医療事故

実施した医療行為の目的

ヘパリンの誤処方

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 研修医A(経験年数0年2ヶ月)が歯科医師B(経験年数4年2ヶ月)の指導の下、心房細動の既往ありワーファリン内服中の患者の周術期のヘパリン化するためにヘパリンカルシウムの処方を行った。
  • 全身麻酔下にて下顎歯肉癌術後、腸骨海綿状骨+メッシュトレーを用いた下顎骨再建術施行を予定しており、6日前でワーファリン内服中止し、翌日から手術前日までヘパリンカルシウム皮下注シリンジ5000単位を朝夕で処方。
  • 手術2日前、研修医Aがその他の点滴の処方を出す際に、術後よりヘパリン化を再開すると思い込み、手術後1日目、2日目にヘパリンカルシウム皮下注シリンジ5000単位を朝夕処方。
  • 手術3日後、歯科医師Bがカルテの内容を確認した際、術後にヘパリンカルシウム皮下注シリンジ5000単位の誤投与に気がついた。

医療事故発生の要因

  • 研修医Aが処方した際、その場に上級医がおらず、処方内容の確認ができなかった。
  • 他の担当医も処方のチェックをしておらず、処方されたことを知らなかった。

改善策

  • 指導医がチェックを行う。

事例67:治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 硬軟口蓋裂術後、瘻孔ができたことによる構音障害を改善する為に瘻孔閉鎖床を作製することとなった。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 瘻孔閉鎖床作製のため、印象採得を行った際、印象材が瘻孔から鼻腔内に入り込み残留。
  • 口腔内から除去を試みたが、困難だったため、全身麻酔下で鼻腔から除去。

医療事故発生の要因

  • 流動性の良い印象材を使用すると、それが瘻孔内に入り込んで鼻腔内に入り込む危険性を想定できていなかった。

改善策

  • 印象採得の手技を改善する。
  • 瘻孔相当部にガーゼを2枚重ねて置き、印象採得する。
  • 瘻孔部にワセリンを塗布する。
  • 流動性のあまり良くない印象剤を用いる。(ペースト状、パテ状印象剤を用いる)
  • 印象材の量は、最小限に留める。

事例68:異物の体内残存に関する医療事故

実施した医療行為の目的

右上第一大臼歯の根管治療。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 根管治療の際、超音波ファイルにて口蓋根を洗浄中に超音波ファイル破折を認め、X線撮影したところ、口蓋根に破折したファイルの残存を確認。
  • 破折ファイルの除去を試みるも除去できず、さらに1週間後CBCT撮影したところ、破折ファイルは上顎洞内に押し出されていることを確認。

医療事故発生の要因

  • 根管洗浄ファイルは破折の可能性があるが、破折しても根管内にとどまる可能性が高い。
  • 診療医が破折した可能性を知っていたにもかかわらず、上級医に報告せず対応し、さらに破折ファイルを押し込めることとなった。

改善策

  • 根管洗浄ファイルは、なるべく破折しにくい形態のものを使用する。
  • 破折の可能性があると判断した際には、速やかに上級医等に報告し対応する。

事例69:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

顎変形症に対して、全身麻酔下において頤形成術・下顎骨垂直骨切り術を施行した。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 当事者Aが執刀医、当事者Bが指導医として手術。
  • まず頤形成術を行い、次に左下顎骨垂直骨切り術を施行。
  • 右下顎骨垂直骨切り術を開始したが、右下顎骨上方まで骨切りが達しておらず、下顎骨後方で切断されていた。
  • 顎間固定時に、下顎骨の移動が困難であったため、両側の骨切り部位を確認。
  • 目視では、問題なく切断されている状態と同じ見え方であったため、誤った部位で骨切りされていることに気が付かなかった。
  • そのまま顎間固定を行い閉創、手術を終了。
  • 手術翌日、X線撮影を行った結果、右下顎骨が切断されていないように見えたため、その翌日(術後2日目)にCT撮影。
  • その結果、左は問題なかったが、右は下顎切痕まで骨切りできていないことが判明。
  • 患者本人・家族に説明を行い手術後3日目に再手術。

医療事故発生の要因

  • 正しい位置で骨切りされているか、確認する方法が目視であった。
  • 手術中にX線撮影による下顎の骨切りの位置を確認するルールがなかった。

改善策

  • 手術中、骨切りが終わった後に目的の位置まで切れているか、骨の状態を執刀医だけでなく、指導医も確認する。
  • 骨切り後、下顎骨が所定の位置に移動しなかった場合は、異常骨折も考えて術中にX線撮影を行う。

事例70:その他の与薬に関する内容に関する医療事故

実施した医療行為の目的

静脈麻酔+局所麻酔下での抜歯・上顎歯腫瘍摘出術。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 同室での手術件数3件。
  • 1、2件目は全身麻酔下手術にてエスラックス使用。
  • 3件目については静脈麻酔下手術であった。
  • 1例目よりその日使用する人数分の定期配置された薬剤トレーを3つ手術室内に準備していた。
  • 3例目手術終了時に使用していないはずのエスラックス1Vが紛失していることに気づいた。
  • 気づいた時点では手術室管理職への報告はされ部内の捜索実施。
  • 翌日薬剤部での払い出し帳簿の確認が行なわれ発見にいたらないまま時間経過。
  • 医療安全管理部への事故報告(紛失発覚から24時間が経過してからであった)。

医療事故発生の要因

  • 当日その手術室で使用する人数分の薬品トレーを朝から手術室内に持ち込んでいた(薬品トレーには施錠なし)。
  • 薬品トレー内に薬剤が定期配置されているか、不足はないかの確認をトレー準備時に確認していない。
  • 毒物の紛失であるにもかかわらず、医療安全管理部への事故発生報告が24時間後であった。

改善策

  • 手術に使用する薬品トレーは1患者1トレーで準備し、薬品庫から持ち出す際にはセット数の確認を徹底する。
  • 手術場薬品庫内、薬品庫入り口に防犯カメラの増設置、薬品室入室カードキーの設置。
  • 薬剤取り扱いについての知識を教育するための医療安全職員全体研修(毒物など施錠の必要な薬品の取り扱いと紛失時の報告義務)の開催。
  • 紛失事故発覚時には速やかに医療安全管理部への報告ができ、病院執行部への早急な報告とともに事故調査委員会を開催する。
  • 院内医療安全ポケットマニュアル内の《必ず報告する事例》の見直しを行ない、医薬品に関する紛失・盗難についてを追加する。

事例71:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

右側下顎埋伏犬歯の抜歯。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 右側下顎埋伏犬歯を抜歯中にヘーベルが滑落し、口底部を損傷、出血。
  • 口底部腫脹により嚥下困難を生じたため緊急入院、CT撮影。
  • 手術室にて気管切開。
  • 退院後6回にわたり通院。

医療事故発生の要因

  • ベテラン歯科医師であったが、偶発的な事故であった。

改善策

  • 著しい骨癒着が疑われた場合は、周囲骨をさらに十分削除して、抜歯を行う。
  • 術前に予測できる場合には、入院全身麻酔下で抜歯を行う。

(ただし実際このような事態が予測しえるかは判断が難しい。)

  • 抜歯偶発事故が発生した時の対応を、制度設計しておく。

事例72:治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

  • 右側の顎下リンパ節の腫大を自覚。
  • インプラント埋入希望で他院歯科紹介受診。
  • 右上顎の腫瘤について指摘され、膿瘍を疑い穿刺吸引施行。
  • 腫瘍性病変を疑い、細胞診を実施したところ、結果はclassIIIであった。
  • 病理診断にて扁平上皮癌の診断。
  • 手術目的に入院。
  • 右側上顎歯肉扁平上皮癌(T3N1M0)に対して、全麻下に右側全頸部郭清術、右側上顎骨部分切除術、左腹部からの植皮術を施行。
  • 右側上顎骨部分切除術終了。
  • ファイバースコープを使用し喉頭浮腫を歯科麻酔科医が確認後、抜管。
  • 抜管後、一時BP:200/ mmHg程度と高値になった。
  • 3回ほど吐血。
  • 抜管時の高血圧による出血が咽頭へ流れ込んだものと判断し、ボスミンガーゼを浸した鼻腔タンポンにて止血。
  • 右側臥位のまま病室へ帰室。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 看護師口腔内吸引中に呼吸困難感あり。
  • SpO2:75%、HR:120bpm、不整。
  • 右側腫脹著明。
  • 意識レベル GCS E1V1M1 JCS 300術後の頸部腫脹ならびに術後出血による気道閉塞が考えられた。
  • アンビューバッグおよび挿管準備、当直医連絡を指示。
  • 酸素投与量全開。
  • オトガイ挙上するも自発なし。
  • ハリーコールを要請。
  • ハリーチーム到着。
  • 救命医師が到着し、挿管準備指示。
  • 瞳孔(2.0+/2.0+)SpO2:99%、HR:103bpm、NiBP:121/78mmHg。
  • ハリーチーム解散。
  • 意識鮮明。
  • 筆談で会話可能。
  • GCS E4VTM6 SpO2:100%、BP:125/77mmHg。
  • 気道閉塞になった現状を説明し、再手術および術後気道確保のためICU管理を行うことを説明し、同意を得た。
  • 出血部位確認のため、手術室搬入。医科麻酔科により全身麻酔開始。
  • 手術開始。
  • 医科麻酔科から歯科麻酔科へ麻酔管理交代。
  • 全身麻酔下に右側頸部の創を再確認したところ、3か所静脈性の出血点を認めた。
  • 1か所は血管がわかったので結紮による止血処置。
  • 他の2か所については小出血斑については電気凝固。
  • 十分に創部を生食にて洗浄し、止血を確認し、CSを3本留置し創は3層縫合とし閉創。
  • 手術室退室し、ICU搬入。
  • ICU管理。その後、経過良好にて退院。

医療事故発生の要因

  • 頸の手術した部位から出血があり、その腫脹の影響で喉がはれてしまい、空気の通り道が狭窄し、呼吸が困難な状態となった。
  • 頸の手術部位をもう一度開いたところ、出血点と思われるところは3か所あった。

改善策

  • 問題点は手術後の頸部郭清創からの出血とその圧迫による気道閉塞であった。
  • 長時間の手術や術式によっては、術後の腫脹や出血による気道閉塞が起こる可能性がある。
  • 口腔や顎顔面領域は気道に近接しており、血腫形成により気道閉塞につながるリスクは高いとされている。
  • 頸部の腫脹が出現した際には再挿管による気道確保は非常に困難である。
  • 今後の対応策について検討を行い下記6項目について改善をおこなった。

    • 術後に挿管を行う症例(ICU管理が必要な症例)の適応
      • 現在、再建を必要とする口腔がんの症例については術後の気道閉塞の危険性があるため、予定気管切開を行った上で全例ICU入室としている。
      • 今回の事例をうけ、口腔外科全体として出血・気道閉塞を来たす可能性が大きい術式として、以下の手術については抜管基準を見直し、ICU管理を考慮することとした。
  • 全頸部郭清術(特に両側に至るものについてはICU入室とする)

  • 舌腫瘍切除術

  • 手術終了時間が17時を超える場合(手術時間が8時間をこえる)

  • その他術中経過に異常があるもの。

    • 病棟での周術期の管理体制
    • ハリーコールへの迅速な対応、スタッフ間の連絡網の統一、歯科麻酔科による術後の経過観察
    • 気道閉塞した場合の対応 バッグバルブマスク換気の手技、気道確保の手技、挿管困難であった場合の緊急気管切開術の手技
    • エアウェイ挿管、ファイバー挿管などの挿管に必要な器材の準備  マギール鉗子など
    • 緊急時の歯科麻酔科との連絡網の確立
    • 手術時の手技の再確認(血管の結紮手技など)

事例73:その他の治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

う歯による右上第2大臼歯の抜歯。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 大動脈弁置換術後のう歯に対し、右上第2大臼歯を抜歯した患者。
  • 患者はワーファリンを服用しており、術後は通常より多い出血を認めたものの、圧迫止血及びサージセルを充填して縫合し止血。
  • 患者の帰宅途中に鼻出血を認め、救急車で来院。
  • 救急外来にて、当直医師による止血を行い、担当医が到着後、バルーン入れ替え等の止血処置。
  • 咽頭からの出血があり、一時的に患者の意識レベルが低下。
  • 再度著明な出血を認めたため、全身麻酔下での止血処置。

医療事故発生の要因

  • 抗凝固剤を継続して服用している状態での抜歯の施行。

    • 但し、ガイドラインではINR3以下が抜歯の適応であり、当日のINRは2.35だった。
  • 当初の見込みと異なり抜歯が困難であった。

    • そのため、歯槽骨の一部が破折、上顎洞に亀裂が入り、上顎洞内の動脈を損傷し、鼻出血に至ったと推察される。

    改善策

  • 抗凝固剤を継続して服用している状態で手術を施行する場合、想定以上の出血が生じる可能性を念頭に入れての手術及びICを行う。

事例74:治療・処置の実施に関する医療事故

実施した医療行為の目的

下顎骨骨折時に行ったチタンプレートの除去。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 下顎骨骨折のため、全身麻酔下で観血的整復固定術施行。
  • 患者、家族に半年後にプレート除去を行う事が望ましい事を説明。
  • 半年後の外来時に前回手術記録にてチタンプレートによる固定を行ったことを確認し、外来にて除去を行う事を決定。
  • 手術前日にチタンプレートの除去方法を確認し、マルチドライバーで行う事、手術室にマルチドライバーの借用を依頼することの指示を受け、手術室へ連絡。
  • マルチドライバーは一組しかないため、使用後すぐに返却するように手術室から指示を受けた。
  • 手術当日マルチドライバーを手術室より借用。
  • 外来診療科にて静脈内鎮静下に手術を開始。
  • はじめに左上7番の歯牙破折の破折片を除去。
  • 前回手術の切開線を利用し、粘膜骨膜弁を離断・翻転、プレートを明示。
  • マルチドライバーのうち、ネジ穴との合致の良いドライバーの先が破折していることに気付いた。
  • 他にネジ穴に合うマルチドライバーはなかった。
  • 手術室に確認したところ、固定していたチタンプレートはシンセスのもので、それ専用のドライバーで除去するのが望ましい、との返答を受けた。
  • しかし、これまでチタンプレートはマルチドライバーで除去を行っており、破折したドライバーもそのまま滅菌され、破折片も入っていなかった。
  • シンセス及びマルチドライバーの供給元に問い合わせたが、いずれも即時準備は不可能との返事を得て、今回の手術で除去は出来ないと判断。
  • 家族に使用予定のドライバーが破折しており、今回の手術でチタンプレートは除去できないことを説明し、再度次の日手術を行う事、今回の手術でプレートは明示できているため、外来で抜糸後、短時間でプレートの除去が可能である事を説明し、同意を得た。
  • 手術を中断し、縫合処置を行い、患者を鎮静下から覚醒させ、家族に説明した事を説明し、同意を得た。
  • 局所麻酔下に創部を開き、シンセス製のドライバーにてチタンプレートを除去。

医療事故発生の要因

  • マルチドライバーの破損に気付かないまま滅菌処理が行われていた。
  • 前回の手術報告書にプレート・スクリューの詳細な記載が無かった。
  • 手術室や外来にマルチドライバーの予備や今回使用した製品のドライバーが常備されていなかった。

改善策

  • 器具の破損がないか、手術終了後に常に確認する。
  • 手術報告書に使用したプレート・スクリューを会社名を含めて記載する。
  • 手術室や外来にマルチドライバーの予備やその他ドライバーを常備する。

事例75:方法(手技)の誤りに関する医療事故

実施した医療行為の目的

智歯周囲炎における感染源の除去。

医療事故の当事者の職種

歯科医師

医療事故の詳細

  • 右下智歯抜歯施行中、右下第二大臼歯が脱臼してしまった。

医療事故発生の要因

  • 右下第二大臼歯の骨吸収及び残存歯質の薄さ、抜歯の方法についてのミス。

改善策

  • 気をつける

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